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現役人事部長の 雑記blog

人事と法の対話、新たな融合は可能であるのか

投稿日:2016-11-09 更新日:

 

人事と法のダイアローグ⇒

人材マネジメント論が専門の守島基博氏と労働法が専門の大内伸哉氏の対談集である「人事と法の対話」を読み直した。

2013年に出版されて3年が経つが、われわれを取り巻く環境には大きな変化はない。

ただ、問題がより前景化してきていることだけは確かだ。

本日は、この示唆に富む対談集について触れてみます。

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目次

1、人材を獲得するとき

2、正社員と非正社員の間

3、公正な評価と納得できる賃金

4、人材を動かすとき

5、人材を育成するとき

6、ワーク・ライフ・バランス

7、メンタルヘルスと産業医の役割

8、退職のマネジメント

9、高齢者の雇用

10、労働紛争の解決

11、グローバル化で問われる日本の人事

12、対談を振り返って

溝は埋まるのか

大内氏のコメントに次のようなものがある。

本書の中で、有期雇用の反復更新の雇止めをめぐって、次のような箇所がある。

人事からすると、有期の人を長く継続して雇用して、すでに十分に保護を与えてきたという思いがあるのに、労働法は、長く継続して雇ったために将来への期待が生じたのだから、それも保護すべきと言う。

ここに人事管理と労働法の発想の根本的な違いがあり、この溝はなかなか埋められないかもしれない。

 

この違いは、現在の実態が将来を担保するという権利の優先的保護思想と、現在の実態は将来をなんら担保するものではないという企業のリスクマネジメント哲学の相違である。

おそらく、どんなことがあっても溝は埋まらない。土台、無理な話である。

ただ、人事とは、このクレバスの間に一本のロープを張ることを命綱なしに行なわなければならないときがある、あまり割に合わない仕事であるのかもしれない。

 

守島氏のコメントに次のようなものがある。

でも、こうした企業の努力の中で、労働法の役割も変化していかないとならないのかもしれない。

労働者に寄り添うという基本的立場は維持しつつ、多様な労働者像を前提とし、企業が新たな競争環境に対応する人材マネジメントを行なうことを支援するという役割を重視する必要があるだろう。

正しいことを行なう企業の人的資源管理を助ける労働法である。

 

多様化する働き方や変化の激しさを増す社会環境にタイムリーに法律が改正していくことを望むことは、所詮、多くを求めすぎる行為であるのかもしれない。

企業はただ合理的な対応を行なっているだけであろうが、時として法律の足の遅さに歯がゆい思いをすることは少なくないはずだ。

法であろうが、企業であろうが、そのスタンス、アプローチの仕方は違えど、目指すべきところは、労働者がいかに働き甲斐をもって仕事ができるかに帰着するはずである。

両者の間に溝は確かにあるが、決して平行線ではない。

 

水たまりの一滴

両氏共に日本を代表する労働関連の論客です。なので、この対談集は買いなのです。

 

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