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現役人事部長の 雑記blog

日本型新卒一括採用に関して現在最もよく理解できる本をご紹介します

投稿日:2016-11-22 更新日:

 

海老原嗣生氏の新刊が発売された⇒

出版されれば無条件に読んでしまう著者の一人である。
就活生にとって、参考になるかなと読み始めたが、それどころではない。

射程が広すぎて、就活生向きというよりも、雇用全般を考えるための必読書の趣きを呈していました。

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ホリスティックで行こう

「はじめに」において著者はこう言います。

この本では、就活とそれを取り巻く日本社会を少しホリスティック(全体的)にとらえて、ぎりぎりの線で、変えられること、守るべきことなどを考えたい。

そのために、本書では、時系列的な俯瞰と欧米事情から見た比較を試みます。
このような視点は、就活を包括的に考察する類書において、あまり徹底されていなかった視点であると思われます。

目次

目次は次の通りです。

0章 就活って今、どうなっているの?何が問題なの?
1章 100年論争を棚上げするための処方箋
2章 やめられない止まらない日本型雇用
3章 欧米型雇用の不都合な真実
4章 進歩的提言の限界
5章 日本型が変えねばならない本当の短所

そして、各章においてコラムが掲載されています。

その道のプロへのインタビュー形式なのですが、実感に基づいたホットな発言であるので、大変説得力があります。

気になるね第5章

日本型雇用と新卒一括採用が、今日においてもまだこの国に残存し、一定程度有効に機能していることについて、第0章から第4章までを使い、著書はデータを駆使し、説明します。

これを受けた第5章において、建設的な提案が展開されます。
それについては、当然に自ら手にとって著作にあたっていただきたいと思います。

考えさせられたポイント

雇用システムは社会システムのひとつです。
したがって、その国や地域に固有の歴史的、文化的背景に影響を受けています。

ゆえに、そのような「経緯」を振り落とし、移植や接木をしたところで、きれいな花が咲いたり、豊かな実がなる道理はありません。

安易な折衷主義は、ろくな結果をもたらさないものです。
われわれが、漠然として抱いていた、もしかすると欧米のシステムを借用すればもっとうまくいくかもしれないという淡い期待は、ことごとく消え去ります。

それぞれの国において現在採用されている雇用のシステムは、歴史的な風雪を耐えた一定程度の必要性を有することがまずは明らかにされます。

そして、ここで終わりではなく、自国の必然性あるシステムをバージョンアップするために、関係者が具体的にできることを粛々と実行するそのこと自体がとても大事なんだということが説明されます。

行政も、企業も、大学も、学生も、教師も、社会人も、社会も、つまり国民の全てが現在を、将来を、よりよくするために、雇用や採用の問題を限定的にではなく、全体的に考える視座を持つ必要があることが強調されます。

冒頭の話に戻りますが、ゆえに、就活で一杯一杯の学生にとっては、ちと荷が重いので、おススメを控えたというわけです。

けれども、就活がひと段落したら、本書を手に取り、大いに考えていただけたらと思います。
なぜなら、あなたは、渦中の人であるのだから。

最後に二言三言

これ、よくわかるわという記述があったので、以下にご紹介

教育と雇用の話となると、誰もが一家言持っている。それは、ほぼ100%に近い人が、教育を受け、働いた経験を持っているからだ。それだけに、みな自分がセミプロだと思っているから、この領域は視界不良となる。

そうなんです。
これが、顕著にあらわれるのが、面接の場面です。

営業部門管理職に面接官として参加してもらうことがありますが、その際、毎度これを目の当たりにしてしまいます。

面接とは、ある意味、誰にでもできますが、誰にもできません。

この意識があるのかないのかが、セミプロとプロを分かつ一線なのでしょう。

 

水たまりの一滴
人を見る目を養う。日々精進ですし、一生勉強です。完成などないです。

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