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現役人事部長の 雑記blog

「セッション」、上出来だを無視することでしか人は成長しないとスティックは告げる

投稿日:2017-04-22 更新日:

 

シゴキの映画を見終わった⇒

見たいよね見たいよねと言いつつ、ようやく本日見終わった。

よくできている。

106分にまとめているところが、とにもかくにも素晴らしい。

よくできた脚本、編集です。

以下、内容に言及しますので予めご了承ください。

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師弟

業界にもよりますが、このような激しい師弟の関係は今でもあるのでしょうか。

コンプライアンスの徹底が叫ばれる昨今、オフィスでみかけることはほぼないのでしょう。

常勝チームで部活動を行っていた経験のある人には身に覚えのある光景だろうか。

そうでないのならば、この映画で描かれている世界は不可解もしくは不愉快極まりない世界なのだろう。

けれども、多くの人間が高い評価をしているということは、このような世界に対して一定以上の理解を示している人たちが少なからず世の中には存在するということなのでしょうね。

私にとっては懐かしい風景です。

師弟の関係とは、それが高みを目指すものであればあるほど、常に愛憎が入り乱れる関係性にならざるをえません。

が、いつまでもそのような関係性を維持したいとは思わないほうが普通なのでしょうね。

歴史に名を残す

主人公はジャズの歴史に名を残すことを希望する学生(ドラマー)です。

才能がそこそこあり、努力家でもあります。

根性もあり、我も強くなります。

ゆえに、一流の芸術家の資質を持っているといえるでしょう。

不幸が重なり、道は閉ざされますが、自暴自棄になることもなく、偶然の出会いから再び目を覚ます場に立ちます。

が、そこは希望を根こそぎ断つための、ある意味罠のような舞台が設定されていたのです。

完膚なきまでに叩き落された直後、彼は何を思うのか再び舞台に戻ります。

ラスト10分は観客をいい意味で裏切り続け、素晴らしいエンドロールが待ちます。

この幕切れの切れ味は秀逸です。

そこまで野暮じゃないのでここでは言いません。

奇妙な師弟愛

ここには浪花節的な予定調和的な師弟愛のかけらも見ることはできません。

セリフの中で一流のミュージシャンを育てたいと鬼教官は口にします。

が、真意は不明です。

というか、至高の音楽を追求したい、実現したい強烈な欲望だけを見てしまいます。

欲望の純度が高いゆえに、かえってそこに清々しさを覚えるほどです。

弟子(生徒)も、多くのものを師に求めているようにも思えません。

手段として利用活用する姿勢が貫かれているように思えるのです。

ゆえに、親密さなど皆無です。

芸術の下僕同士の奇妙な連帯が窺い知れ、それを師弟愛といえばいえるのだろうかという関係性が築かれています。

育てる

本作の主題は「育てるということの困難」に他なりません。

人が人を育てることはどうあってもできないことだけがスクリーンを覆っています。

実の父親は圧倒的な母性で主人公を包み込みますが、彼は父親(母性)のもとからすぐに舞台に戻ってしまいます。

鬼教官(圧倒的な父性)にしても主人公を育てそこねることしかできませんでした。

主人公は覚醒し、見事なパフォーマンスを披露します。

が、それは徹頭徹尾、彼が成し遂げたことです。

主人公は結果として「育った」のです。

自らの手で、自らの意志で。

師との交わりはあくまで成長の糧であり、切っ掛けであり、外部環境の一種です。

褒めちぎろうが、怒鳴り散らそうが、人は育たないことが明瞭に示されています。

手前勝手や不遜な物言いではなく、人は育てられるのではなく、結果としてに独力で育つのです。

そのことの奇跡を主人公のドラミングが雄弁に物語っているのではないのでしょうか。

 

水たまりの一滴

彼ら親子が見ている映画のタイトルが「男の争い」であるところがパンチが効きすぎています。

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