多様な働き方を支援する企業の取組に唯一の正解も終わりも決してない

投稿日:2017-03-14 更新日:

 

「ダイバーシティ経営と人材活用」を読了⇒

本書は第一人者である佐藤博樹教授ほかにより編纂され、中央大学大学院における研究成果を中心に構成されています。

これからの働き方を検討するうえで非常に示唆に富む内容でした。

以下、気になったところをいくつか取り上げます。

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死角としての人事管理システム

しかし、ダイバーシティ経営に取り組んでいる企業の現状を見ると、働き方改革の取り組みは緩やかであるが進展しているものの、人事管理システムの改革の必要性に気がついていない場合も多い。

画一的ではない様々な雇用形態となる働き手の就労管理を機能的に一元管理できるシステムはそうそうない。

また、その導入にあたっては費用面、運用面の観点から、いくつものハードルを越える必要がある。

システム導入においてカスタマイズがいかに困難であるかは、人事屋であれば誰もが身に覚えのあるところであろう。

情報共有と見える化が必須

短時間勤務の社員、残業免除の社員、残業免除ではないが週に数回定時退社を希望する社員など、さまざまな勤務構成が混在している職場が一般化する。この結果、職場での情報共有や仕事の見える化が不可欠となる。こうした働き方改革を担うのは、職場の管理職となる。

ここは今後、避けて通れないところです。

阿吽の呼吸とは言わないまでも、多くを語らなくとも意思疎通が可能であることが全く前提とならない職場を想定し、業務遂行におけるコミュニケーションの活性化を図る必要が出てきます。

これは簡単ではありません。

業務の実際的なたな卸しを行い、見える化を実行することではじめて高い生産性が実現できることとなります。

将来のワークのためのインプット

つまり、育児や介護といった特定のライフイベントだけではなく、ボランティアや自己啓発など将来の仕事のためのインプットも含む「ライフ」全体にも時間を投入できることが必要となる。

ここまでの認識には労働者本人も含め、ぜんぜん届いていないのが現状でしょう。

そもそも有給休暇の取得の理由それ自体によんどころない事情・用事が存在しないと申請に気後れしてしまうという体質改善から始めなければならないところが大問題です。

有給休暇の取得に合理的な理由は必要ありませんが、一日も早く「用がないけど休みますわ」がフツーになってもらいたいものです。

介護者の健康管理の重要性

先行研究では離職に至っていない介護者においても介護疲労やストレスが蓄積すると仕事のパフォーマンスが低下し、場合によっては労災のリスクも高くなることが明らかになっている。そのような意味で、働く介護者の健康管理は今後検討を重ねるべき重要な課題であるといえる。

介護うつや介護過労といった労働問題について、今後企業がどの程度安全配慮義務を負担しなければならないかは、結構重要な問題であると思います。

できうる限り、両立支援ができるように職場のサポートが必要であることは今更言うまでもありませんが、如何せん限度があります。

本人の病気治療と仕事との両立

ワーク・ライフ・バランスにおける新たな課題として、働く本人の病気治療と仕事との両立課題が挙げられる。

このうち、がん治寮をしながら働くための支援ニーズに企業がどう答えていくのかが今後ますます問われていくことでしょう。

ここの部分は育児や介護支援と比較し、非常に遅れているところです。

が、介護と同様に誰に起こってもおかしくないケースであるために、多くの従業員にとって他人事ではないはずです。

「治療と職業生活の両立等の支援」とは、「疾病を抱える労働者に対して必要となる支援」であり、具体的には、支援の段階に応じ、以下の3つに分類されている。3つとは、「疾病の重度化を防止するための支援」「疾病による休職中の労働者が早期に職場復帰するための支援」「復帰後も通院治療が必要な労働者が、治療と就労を両立させるための支援」である。予防的措置を含め、治療時間を確保するための仕事の調整が必要となる点は、子育てや介護に共通すると考えられる。

がん罹患をはじめとする病気を抱えながらの就労については、職場自体が経験不足であるために、これから学習の機会を増やし、経験値をあげることで適切な職場環境の醸成に努める必要があります。

ここは時間がかかりそうです。

また、過度な配慮に傾きがちなので、ご本人と同僚との距離感もなかなかに難しそうです。

始まったばかり

あらためて思うのは、これまで企業が前提としていた労働力モデル(日本人男性、転勤・残業・長時間労働・休日出勤OK、家事育児はできるだけしない)が「異様」は言いすぎですが、いかに特殊であったのかが理解できます。

まずは、誰もが「自分ごと」と捉えるところから、粘り強く進めるしかない思いを強くしました。

 

水たまりの一滴

国と同時に企業も多様な働き方を多面的に支える必要がますます高まってきています。

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