同一労働同一賃金推進は正社員の再定義を行なえと、我々に静かに告げる

投稿日:2016-12-23 更新日:

 

ガイドライン案発表⇒

本年12月20日に働き方改革実現会議において同一労働同一賃金ガイドライン案が報告されました。

中味をざっと読んで思うところを以下に述べます。

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案の概要

概要については以下の通りです。

日本において同一労働同一賃金原則に踏み込み、非正規社員の待遇改善を実現する方向性を示していく。

できるだけ早期に待遇改善を実現させるために、次の3つを柱とする。

(正規・非正規社員両方の賃金決定ルール・基準の明確化)

(職務や能力等と賃金など待遇水準との関係性の明確化)

(能力開発機会の均等・均衡によるひとりひとりの生産性向上)

 

ガイドラインの位置づけは次の通りです。

ガイドライン案は、第一義的に現行法解釈の明確化として位置づける。

賃金決定は民間(労使)に委ねるべきであり、賃金決定を客観化・透明化し、正規・非正規間を比較可能にすることが重要である。

具体的な取り組みは、手当を優先的に取り組み、基本給部分は段階を踏んだ取り組みが必要である。

企業規模や歴史的経緯、非正規社員比率など企業の実情に合わせた丁寧な対応が必要である。

労働者派遣については、まず派遣元の待遇差の是正が必要であり、派遣先社員との均等・均衡待遇は丁寧な制度設計が必要である。

 

以上の考えに即し、基本給や手当(通勤手当・単身赴任手当・時間外勤務手当など)や福利厚生(食堂・休憩室・更衣室・病気休職・慶弔休暇など)について、無期雇用フルタイム労働者と同一の要件を満たす場合は、有期雇用労働者又はパートタイム労働者も同一の扱いをすることを求めている。

正規と非正規の壁が崩れるのならば

正規従業員と非正規従業員の間において、提供される労務の成果が同一であるならば、同一の報酬が支払われなければならない。

ここに非合理が混じる余地はいささかもない。

仮に、そのような場合において、非正規であるからという雇用形態の違いにより、正規従業員よりも低い報酬が支払われているのなら、それが是正されてしかるべきところである。

当たり前だ。

問題は、同一労働であると明々白々にわかる業務の内容や職種が世の中にどれぐらいあるかということだ。

簡単な例は、目に見えるかたちのノルマの評価であろうか(今月車を10台売りましたなど)。

ところが、わかりやすくはない仕事(業務)のほうが世の中、圧倒的に多い。

待遇差解消運動

不合理な待遇差の解消の過程において、浮上してくることがいくつかある。

正規と非正規の待遇差の解消は、正規側にあわせると賃金上昇運動となり、非正規側にあわせると賃金下降運動となる。

そのいずれでもなければその中間的な落とし所へと収斂してゆかざるをえない。

ここは立場による押し引きの最前線であろう。

人件費の増加を手放しで許容できる企業ばかりではない。

さりとて、下にあわすことは法律問題を含め、簡単には進まない。

となれば、時間はかかるが、新しい雇用形態での結び直しが、進まざるを得ないという話だ。

ガラガラポン。

以前からわたしが述べている総請負化である。

ここでは、これ以上この話には触れません。

正社員ってなんだ?

正規と非正規との間において、求められる労務の価値が遜色ないのであれば、正規社員の意味や意義が原理的に問い直されることとなる。

つまり、正社員って何なんだという素朴な疑問を誰もが問い始めることとなる。

突き詰めると、正社員で雇用されたから正社員であるという自己撞着に帰着してしまう恐れすらある。

ここまでくると雇用の流動化の促進まではそんなに遠くない。

労働法制の改定により解雇の制限が事実上なくなれば、一気に加速する。

ローパフォマーの解雇問題も自然消滅する。

すなわち、雇用形態という足かせがなくなるのだから、腕一本の時代となる。

正規だから安泰、非正規だから割を食うは、消え去る。

やる気と能力のある人間はステップを駆け上がり、そうでない人間の働く余地は限りなく狭まっていく。

労働の海における大競争時代の幕開けである。

今回の同一労働同一賃金の実現への提言は、ぶら下がり正社員にとって、間違いなくパンドラの箱が開いたことに他ならないと言えよう。

資本主義は、労働世界においても加速を始めたらしい。

 

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水たまりの一滴

将来、振り返ったときに2016、17年は労働者にとって、ターニングポイントであったのかもしれませんね。

 

 

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