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現役人事部長の 雑記blog

長時間労働をなくすためのたった2つの方法

投稿日:2016-10-10 更新日:

長時間労働⇒

痛ましい事件が繰り返された。

大企業に勤務する将来のある若者が自らの命を絶った。

その原因が新聞報道によると長時間労働であるとされている。

ネットでは、セクハラやパワハラも関係しているという発言もある。

情報が限定的であるので、即断は避けられるべきだが、長時間労働が大きく影響していることだけは間違いないようである。

我が国から長時間労働(特に非管理職に対する)がなくならない制度上の原因は、次の2点であると考える。

長時間労働を法律で上限規制していないため

割増賃金率が低いため、人を別にひとり雇うと高くつくため

これらがクリアされない限り、長時間労働はどこまでいっても、働く側、働かせる側の問題に収斂していき、なくならないと考えます。

以下は、長時間労働はもとより、時間外労働は規制されるべきであろうという立場でのエントリーとなります。予めご了承ください。

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長時間労働の法的上限規制

法律においては、非管理職に対して時間外労働をさせることは禁止されている。

しかしながら、残業はどの企業においても当たり前になされている。

そして、そのことにより企業が不名誉に新聞に載ることもない。

なぜか。

36協定が企業と労働者代表(企業内組合)の間で締結され、届け出がなされているからだ。

 

36協定とは、非管理職を対象にした月間や一年間等の時間外労働時間に対する取り決めである。

つまり、どこまで残業が可能なのかのラインの取り決めのことだ。

通常は、月間45時間以内にて締結がなされる。

けれども、特殊な事情がある場合は例外的に45時間を超えて締結されることがある。

大手企業においても、そのような届け出実態があったことは、過去の新聞報道のとおりである。

有名企業が100時間を超えて締結がなされているのを見て、当時驚いたものだ。

繰り返すが、法律的には時間外労働は禁じられている。

しかしながら、36協定を締結し届け出を行うことで、法律に反しても免罰が働くという仕組みである。

この36協定により、企業は事実上、時間外労働を一定程度労働者に対して要求できうることになる。

従って、長時間労働に対して上限規制を行ってしまえば、長時間労働はやりたくてもできなくなるというわけである。

1,長時間労働の上限規制の法律化とこれに伴う36協定の廃止。

この組み合わせで長時間労働を要求するための企業側の理屈は消滅する。

コンプライアンスの徹底が社会的ニーズとして無視してはいけないこのご時世、法律を逸脱してまで利益を追求する企業は、まともな企業である限りないはずである。

割増賃金率の大幅増

一日の労働が8時間を超えると企業は非管理職に対して割増賃金を支払わなければならない。

通常、22時までの割増賃金率は25%増と決められている(深夜勤務や休日勤務はもっと割高になる)。

当然にこの程度の率であれば、別の労働者を雇用するよりもコストが安いために、労働者に時間外労働を要求する。それが経済合理性に即した企業行動である。

しかしながら、別の労働者を雇用するコストとそれほど変わらない場合は、その業務内容が属人的要素が極めて薄いとき、雇用の確保を優先するならば、別の労働者を雇用することが自然に促進されるであろう。

さらに、時間外労働の割増率が別の労働者を雇用する場合よりも遥かに割高である場合、事実上、時間外労働は経済合理性が働き、抑制されてしまう。

2,割増賃金率を労働者をひとり雇うコストかそれ以上になるぐらいのレベルに設定すること。

 

上記1と2を念頭に置いた法律の改正により、長時間労働はやらせたくても、やりたくても、できなくすることは可能であると考える。

現実的な対応においては、企業論理やその他法律との整合性の維持確保等、一筋縄ではいかないところがいくつもあると考えられるが、原理的にはできない話ではない。

管理職に対する抑制策とは

以上の施策は、非管理職に対しては極めて有効な方法ではあるが、管理職に対しては別の施策を考える必要がある。

現時点で考えるのは、別のエントリーに書いた「勤務間インターバル規制」である。

これは、労働が終わったときから一定程度休息をしない限り、次に労働を始めることを禁止する規制である。

たとえば、インターバルを11時間と取り決めた場合、24時に労働が終了した場合、翌朝の9時以降にしか労働することができないという仕組みである。

厚労省は現在、働き方改革の一環として、規制の本格検討に入っている。

けれども、自主的導入や努力義務のレベルに終始するならば、有名無実化することは避けられないと思われる。

そのために、EU圏のような実効性の高い規制のあり方が求められるところであろう。

 

新聞に載っていた「仕事も人生もつらい」というコメントはあまりに痛々しい。

仕事にも人生にも希望を持った大きな可能性が、突然に絶たれた。

同じ人の親として、ご遺族のお気持ちを察するに、言葉がない。

心からご冥福をお祈り申し上げます。

 

水たまりの一滴
長時間労働問題は根深い。本当に根深い。

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