「日本の雇用と中高年」を読めば、表層的な損得論よ、さよならバイバイ

投稿日:2017-02-07 更新日:

 

濱口桂一郎氏の著作を読み直している⇒

65歳定年延長施策を考え中も、本日ただいまアイデアが座礁している。

なので、ここは焦っても仕方がないと無理やりに言い聞かせ、以前読んで感銘を受けた書籍を中心に、アウトプットのためのインプットを続けている。

人事屋は制度設計と適切な運用方法を検討すればよく、あくまで効率的に実用的に業務を進めるようにとの声が聞こえていることもわかっている。

が、ここはじっくりといくべきでしょう、という内声の囁きもある。

学者をきどるわけではないが、高いところから物事を見ることは、結果として実利をもたらすはずだと信じている。

そのために、濱口桂一郎という労働思想の高い塔に登る必要がある。

どうか展望台まで、たどりつきますように。

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中高年雇用問題

まずは、「日本の雇用と中高年」を読み返している。

本書は、日本型雇用システムが不可避的にもたらすこの構図を中心に据えて、それが最も集約的に現れる「中高年雇用」という局面に着目しながら、戦後日本の雇用システムと雇用政策の流れを概観していきます。

この文章に続き、日本の雇用システムがたどってきた変遷が極めてコンパクトに整理されている。

あらためて読むと、その交通整理の手腕には驚くばかりです。

ハロウインの時の渋谷のスクランブル交差点を捌く警察官のようです。

その結果、マクロ社会的な持続可能性のために雇用システムの大胆な改革を求める起爆剤になるはずの高齢者雇用の促進に対して、若者の職を奪うといった短絡的な非難の言葉が投げつけられるなど、悲劇的でもあり喜劇的でもある事態が進行してきたのです。

決して付け焼刃とは言い切れない、その時代時代、局面局面において施された整合性のある施策・対策が、積もり積もって、問題が明示的に認識されなくなり、過剰な反応を誘発する表層的な議論が繰り返されてしまう。

一旦落ち着きましょう、みなさん。

システム改革を論じること

これは、雇用問題を雇用システム改革の問題として捉えるということです。システムとは、定義上様々な部分がお互いに深く関わり合い、お互いに前提とし合って存立している要素の複合体ですから、そう簡単に一部分だけをいじれるわけではありません。

雇用問題は、損得論を超えて論じなければならないシステムの問題のようです。

であるならば、システムの問題と認識しない限り、どこにもたどり着かないということなのでしょう。

何よりも鳥の眼が求められているのです。

さらに、雇用システムというのは社会システム全体の一部分のシステムです。とりわけ、教育システムや社会保障システムとは、長年にわたる密接な関係がお互いの変動の余地を狭めるような形で縛り合っている面が強いのです。

このような視座のもと、「若者と労働」、そして、社会政策分野における福祉と労働の観点からの著書「福祉と労働・雇用」が上梓されるのでしょう。

ゆえに、その思想的射程を意識しながら、関連書籍を訪ねる必要が出てくるのです。

有機的読書をせねばならぬ。

雇用システム改革を論じることは、こういう社会システム全体への目配りを絶やさずに、どこまで慎重かつ大胆な提起ができるかが問われるということなのです。表層的な損得論をもてあそんでいるような人々の手に負えるような生やさしいものではありません。

濱口氏の問題意識のレベルでものを考えることは不可能です。

けれども、著作を通じ、その問題意識を理解し、共有することはできるはずです。

表層的な損得論に至らない65歳定年延長施策を足りない頭で引き続き検討していきたいです。

次は「若者と労働」ぞな、もし。

水たまりの一滴

論旨が明快なので、さらっと読み流してしまう箇所も、今回はじっくりこだわって読んでいきたいです。

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