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時間外労働の上限規制等に関する労使合意を前進とみるのかみないのか

投稿日:2017-03-16 更新日:

 

労使合意⇒

日本経済団体連合会と日本労働組合総連合会は、2017年3月13日に「時間外労働の上限規制等に関する労使合意」について発表した。

その合意には次のような主旨が載っている。

両団体は、罰則付きの時間外労働の上限規制導入という、労働基準法70年の歴史の中で特筆すべき大改革に合意した。その際、労働組合に属さない労働者の保護や中小・零細企業の対応可能性なども考慮した。

上限規制の合意については、有識者を中心に様々な意見が飛び交っておりますが、この合意を後退と退けるのはあまりに視野狭窄であると思います。

以下、この労使合意について少しばかりお話します。

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上限規制

上限規制は以下の通りとなります。

時間外労働の上限規制は、月45時間、年360時間とする。

ただし、一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合の上限については、次の通り。

1、年間の時間外労働は月平均60時間(年720時間)以内とする

2、休日労働を含んで2ヵ月ないし6ヵ月平均は80時間以内とする

3、休日労働を含んで、単月は100時間を基準値とする

4、月45時間を超える時間外労働は年半分を超えないこととする

以上を労働基準法に明記する。

これらの上限規制は、罰則付きで実効性を担保する。

特別条項によって青天井であった上限が事実上規制された。

単月の100時間についての攻防があり、結果として企業活動を一定程度考慮した上で100時間が定められた形となった。

以上に従い、実際の運用に落とし込んでみると次のようになります。

上限規制に基づくシュミレーション

先の上限規制における条件を噛み砕くと以下の通りとなります。

1年のうち、6ヵ月間は45時間を超えての時間外労働は認められない。

1年のうち、5ヵ月間は79時間まで(80時間以内の最大値)時間外労働が可能である。

1年のうち、3ヵ月間は100時間まで時間外労働が可能である。但し、2ヶ月連続して100時間は認められない。

たとえば、年間100時間が3回とすると、残りの6ヵ月間は45時間までとあとの残りの3ヵ月間は50時間までの年間計720時間となります。

月間45~50時間は、一日あたり2時間から2時間半程度残業ということになります。

これが毎日だとやはり楽ではないですね。

人手不足のために年間720時間の必要が発生すると理解できるものの、年間720時間の時間外労働は実感として多いといわざるを得ません。

勤務間インターバル制度

勤務間インターバル制度についても触れています。

終業から始業までに一定時間の休息時間を設ける、勤務間インターバル制度を労働時間等設定改善法及び同方針に盛り込む。また、制度の普及促進に向けて、労使関係者を含む有識者検討会を立ち上げる。

目玉のひとつであった勤務間インターバル制度の制定は今回は見送られました。

しかしながら、本格的な検討への道は途絶はしていないので、ここは前進ですね。

過労死等を防止するための対策

過労死等防止対策推進法に基づく大綱を見直す際、メンタルヘルス対策等の新たな政府目標を掲げることを検討する。職場のパワーハラスメント防止に向けて、労使関係者を交えた場での対策の検討を行なう。

ここは、数値目標の設定が義務化されるのでしょうか。

更に踏み込んだ議論が活発化しそうな気配です。

動き出した

とにもかくにも動き出しました。

労働を労働時間にて縛ることは同時に単位時間あたりの生産性の問題を前景化させます。

一刻も早く、自らの生産性を高めるべく不断の努力が労働者ひとりひとりに問われることとなりました。

繰り返しますが厳しい時代の幕開けです。

 

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水たまりの一滴

やはり働き方改革のこの流れは止まりませんね。

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