営業力を飛躍させる戦略と実践の書
幅広くウェブマーケティング活動支援を行っている渥美英紀氏は言います。
本書は、BtoBウェブマーケティングの基本的な考え方から、自社にあった戦略、戦術の立て方、さらに成功事例からみる実践方法まで、一冊で学べる教科書です。
ウェブサイトを営業に活用するという考え方は現在、当たり前になっています。
しかしながら、
BtoBの分野においては、関連書、参考図書が少なく、ウェブマーケティングのノウハウはあまり公開されていません。
ゆえに、
BtoCからノウハウを援用しようとしても、そのまま使えるものが多くないのが現状でしょう。
著者が実際に活用してきたシートやフォーマットがたくさん載っているので、非常にとっつきやすいと思われます。私の場合、採用活動に応用できないかと本書を手に取りました。
- BtoBウェブマーケティングを始めようとしている方
- BtoBウェブマーケティングで悩んでいる方
- BtoBウェブマーケティングの新しいノウハウが欲しい方
本書の構成について
本書は全部で5つのパートから構成されています。
- 準備編)BtoBのウェブマーケティングとは?
- (戦略編)自社のあるべきモデルを考える
- (戦術編)戦略を実現する作戦を練る
- (推進編)成功確率の高い仕組みを作る
- まとめ
BtoBのウェブマーケティングを考える前に押さえるべきポイント
次の4つとなります。
- 営業課題を的確につかむこと
- 営業プロセスを明確にすること
- ウェブサイトが貢献できる役割を見つけること
- 営業価値のある情報を志向すること
これらは、BtoBのウェブマーケティングをこれから進めていくうえで、避けては通ることができない前提となる考え方です。
BtoBのウェブマーケティングの定義
定義
- ウェブサイトやインターネット技術を用いて営業課題を解決する、あるいは営業戦略を実現すること
- 営業プロセスにウェブサイトやインターネット技術の得意分野を組み込み新しい営業の仕組みを作ること
ウェブサイトやインターネット技術
ウェブサイトやインターネット技術ができること、できる範囲、得意なことをあなたは知る必要があります。
営業課題
営業課題としてよくある課題や解決策をあなたは知る必要があります。
営業プロセス
営業の流れ、マーケティングの流れ、その組み合わせをあなたは知る必要があります。
新しい仕組み・営業戦略
ウェブマーケティングを活用した営業モデルとして、どのような形があるのか、どのようなトレンドがあるのかをあなたは知る必要があります。
BtoBのウェブマーケティング戦略とは
BtoBのウェブマーケティング戦略とは、ウェブマーケティングを使って営業やマーケティングを根本から見直すことです。
まずは次の4つのポイントを押えます。
- 営業環境の変化を見越した戦略を考えること
- ターゲットを状態を踏まえてとらえること
- 営業課題に優先順位をつけること
- 営業プロセスを細かく洗い出すこと
これを踏まえて、次の3点をよく考えましょう。
- 基本戦略をしっかり押さえること
- ウェブサイトと営業組織の役割分担を考えること
- 新しい価値を生むモデルを志向すること
戦術を考える手順
顧客が最終的にどんな営業窓口に向かうのかを意識しながらウェブサイトを設計できるようになりましょう。
ウェブサイトに活用できる資産を洗い出す。現在実施している施策を洗い出す。
問い合わせ窓口をラインナップ化し設計する
営業力のあるコンテンツやコピーを設計する
顧客の視点で見たときに一貫した流れになっているかを確認する
チェックポイントとしては、
- プロモーションやコンテンツの資産に注目し現状把握を行う。
- 現状の施策をマッピングし理解しやすくする。
そのあとに、
コンタクトポイントでは、
- 問い合わせを適切にラインナップする
- 個々のフォームのプレゼンテーション力を高める
コンテンツでは、
- 商品力から脱却したコンテンツの提供をする
- コンテンツの文脈を意識した設計をする
集客では、
- ウェブサイトに適した瞬間的に理解できるコピーを用意する
- 集客方法の特性に応じたバランスの良い設計をする
設計後は、
- 「計画一貫性の視点」「戦略実現の視点」「顧客の視点」「営業の視点」から見直す
企業の存在価値を高めるために
BtoBのウェブマーケティングの目標は、今現在営業が抱えている課題をクリアにしていくことです。
しかしながら、それだけではもったいないですし、不十分と言えるでしょう。
ウェブサイトと営業が密接に組み合わされた新しい営業モデルを作る方向に進むべきなのです。
そのような未知の領域を目指すことが、あなたの会社の存在価値を必ずや高めることとなるのでしょう。