昨日までよかったやり方はもはや通用しないと思った方がいい
キャリア・デベロップメント・アドバイザーである著者の谷所健一郎氏は、働き方改革に対応していく企業が潰れないための戦略について本書において説明しています。
それに加えて、
さらに、採用できない状況は企業にとって死活問題に繋がりますので、固定観念に捉われない大胆な戦略で、良い人材を確保する方策について説明します。
といった採用戦略についても触れています。
働き方改革を推進すると倒産の確率が上がりかねないので、潰れないための戦略を実行しましょうと提唱します。
- どうして、潰れる可能性が高まるの?
-
働き方改革は労働環境を良くしていく施策であるために、企業サイドにとってはコストアップにつながるからです。
企業側から捉えると、必ずしもメリットある改革ではなく、経費の増大や労働生産性の低下などの恐れがあります。
改革の推進により、企業経営が圧迫されると、社員の雇用そのものが難しい会社も出てきます。
労働人口の減少がこれからますます危惧される中、
労働環境が十分に整備されない場合、中小企業は特に良質人材の確保ができずに、いわゆる労務倒産の危機に晒されることになります。
そのような危機を未然に回避するための打つ手(戦略)が本書では解説されています。
人事制度の改革は、経費が伴うことが多いのですが、労働力が失われれば利益を出すことすらできなくなります。
- 中小企業の経営者
- 人事関連部署の採用担当
本書の構成について
本書は、全部で7章から構成されています。
- 働き方改革の本質
- 働き方改革で予測できる問題点
- 社内体制の整備
- 労働人口不足の対策
- 長時間労働の対策
- 非正規社員と正社員の格差対策
- 活気ある会社を構築する
労働人口不足の対策
採用したくても採用するための母集団自体が形成できない現実に直面してはいませんか?
労働人口全体がこれからますますしぼんでいく現実をあなたの企業だけが無視することなどできはしないのです。
あらゆる企業が同じ問題に直面していながらも、各企業の立場や実力はそれぞれに異なるために、自社に最適な方法を実践する必要があります。
その場合、
次のポイントを確認しながら、今一度対策を練られてみてはいかがでしょうか。
- 自社の魅力を明確に打ち出す
- 第二新卒を積極的に採用する
- 学生アルバイトから採用する
- 外国人留学生を生かす
- 紹介制度を見直す
- 再就職制度で退職者を掘り起こす
- 主婦(夫)の採用
- 中高年の積極的採用
- 高齢者が働ける環境を整備する
- 非正規社員を正社員に登用する
あなたの会社では、このうちすでにいくつかは実行されているかも知れません。
バラエティーに富む雇用形態のバランスを制度上、維持していく必要に迫られますが、労働力の確保の観点からは避けては通れないのでしょう。
コンパクトにポイントがまとめられているので、頭の交通整理に必ずやお役に立つと思われます。