考えをまとめてから動けば、生産性は一気に上がる
人材開発、組織変革に関するコンサルティングをされている生方正也氏は言います。
この本では定番となっている「思考ツール」の紹介もしていますが、それよりも「その場面でどんな考え方をするといいのか」を紹介することに重点を置いています。
本書のユニークネスはここにあります。
思考ツールは世の中にたくさん出回っています。
日々新しいものも紹介されています。
大事なのは、 それらのツールをどの場面で使うのが適切なのか、 どの場面で使うのが適切でないのかを見極めることです。
この本を通じて、思考ツールを仕分けする目を養っていただければ幸いです。
- 業務整理に困っている方
- 生産性を追い求めている方
- 頭の整理の仕方に自信のない方
本書の構成について
本書は全部で5章から構成されています。
- 思考整理の基本スタンスを身につける
- 情報を「集める」ときにやっておきたい思考整理
- 情報を「伝える」ときにやっておきたい思考整理
- 生産性の高い会議・打ち合わせを行うための思考整理
- 思考整理でクリエイティビティを高める
仕事上のさまざまな場面で、考えや仕事の手順を整理したうえで進めると、結果がどう変わるのかを説明したのがこの本です。
思考を整理するとは
思考を整理するとは、
何かに取り組む際に、視点や考え方、段取り等をあらかじめきちんと整えておくこと
これを習慣化しておけば、仕事になんとなく取り組むや向き合うがなくなります。
ゆえに、
仕事の質とスピードが劇的に高まるのです。
問題解決への取り組み方
問題解決には次の2つのアプローチがあります。
2つのアプローチ
- 悪い点を取り除く
- 問題の原因を取り除く
悪い点を取り除く
目に付いた悪い点への対応です。
モグラたたきのように火消しに飛び回るパターンとなります。
ミスがあったら、直ちにミスをカバーするなどの行動です。
問題の原因を取り除く
原因に基づいて解決策を考えます。
再発防止のために根治治療を行うのです。
どうして起こったのかを徹底的に考えることで、二度と起こらないように対策を講じることが大切です。
情報を集めるときの思考整理
手あたり次第集めるのではなく、整理した上で情報ときちんと向き合うべきです。
以下のポイントを意識しましょう。
- 情報の違いや特徴を踏まえて整理している
- 幅広い分野の情報に対するアンテナを張っている
- 情報源の違いを意識して探す
- 情報の設計者になるように心がける
- 入手情報を段階に応じて整理する
- 違和感のある情報を排除しない
- 勘所を押さえて疑う
情報を伝えるときの思考整理
頭に浮かんだことをそのまま話していては、伝わるものも伝わらないのです。
以下のポイントを意識しましょう。
- 結論をまず述べてからその理由を説明する
- 背景状況は目的に必要なレベルにとどめて話す
- 受け手のことを考えて伝える内容を変える
- 相手の理解度に応じて話す内容を調整する
- 相手が理解しやすい流れで話す
- 伝えたいことは何かを明確にして話す
- メールを送るときは、何をすればいいかわかる内容を1スクロールにまとめる
- プレゼン準備をするときは、話す内容を充実させることに注力する
- 大枠を頭に叩き込んでプレゼンに臨む
- 質問を活用してコミュニケーションを活性化させる
なんとなくをやめる
- なんとなく始める
- なんとなく続ける
- なんとなくやってみる
このような態度で取り組んでいる限り、仕事の質もスピードも一向に上がらないはずです。
頭の中を整理する習慣をぜひ身に着けてください。
考えをまとめてから動けば、驚くほど生産性がアップしているに違いありません。