箇条書きを見れば、あなたの思考や伝える力のレベルがわかるのだ!
東京農工大学特任教授である著者の杉野幹人氏は、仕事に使える最強スキルは箇条書きであると言います。
本書は、私が感じていた箇条書きについての課題認識と、それに対しての私なりの処方箋をまとめたものだ。
情報過多の現代社会にあって、情報を選別し、少なくすることの価値はますます高まってきています。
時代の要請に、箇条書きはピッタリのスタイルと言えるでしょう。
「箇条書き」こそ、これからの時代の最強のサバイバルスキルなのだ。
杉野さんは、最強スキルである「箇条書き」の進化形を提案をします。
「超・箇条書き」です。
それは、
短く、魅力的に伝える箇条書き。そして人を動かす箇条書き。
となります。
著者は言います。
いつも箇条書きが、私を救ってくれた。
あなたにとって身近な存在である箇条書きをもっともっと有効活用してみませんか。
- プレゼンがうまくなりたい人
- 仕事ができると褒められたい方
- コミュニケーションで悩んでいる方
本書の構成について
本書は、全部で5つのパートから構成されています。
- なぜ、箇条書きが、最強のビジネススキルなのか?
- 構造化
- 物語化
- メッセージ化
- 超・箇条書きをもっと使いこなす
超・箇条書きは何が違うのか
「箇条書き」と「超・箇条書き」の違いは、プラスアルファが付加されている点にあります。
箇条書きの特徴は、伝えたいことが「羅列化」しているところです。
これで完成です。
けれども、超・箇条書きはこれだけで終わりません。
この他に、3つの技術的要素が加わるのです。
3つの技術的要素
- 構造化
- 物語化
- メッセージ化
構造化とは
相手が一瞬で理解できるようにする
物語化とは
相手が関心をもって最後まで読み切れるようにする
メッセージ化とは
相手の心に響かせ、行動を起こさせるようにする
繰り返しますが、
超・箇条書きとは、短く、魅力的に伝え、人を動かす箇条書きなのです。
以下に、それぞれの要件を確かめながら、より詳しく見ていきましょう。
構造化の要件とは
要件は「レベル感」を整えることにあります。
レベル感を整えるとは、伝えたいことの階層を揃えるということだ。
そのコツは3つあります。
3つのコツ
- 自動詞と他動詞を使い分ける
- 直列と並列で時間軸を整える
- ガバニングで引き出しを作る
ガバニングとは直訳すると、「統制する」という意味です。一般的に「冒頭における(頭出しにおける)まとめ」のことをガバニングと言います。例えば、伝えたい事柄が3つある場合に、ただそれらを羅列するのではなく、冒頭に「伝えたい3つの事柄」と宣言(記述)することがガバニングとなります。理解を助けるための冒頭における紹介(文)の役割を果たします。
物語化の要件とは
要件は「フックをつくる」ことにあります。
フックをつくるとは、相手の関心を踏まえ、相手方ドキッとする仕掛けを意図的に箇条書きに埋め込むことである。
そのコツは3つあります。
3つのコツ
- 「イントロ」でつかみ、相手を引き込む
- 「MECE崩し」で山場をつくる
- 「固有名詞」で具体的にはイメージさせる
MECE(ミッシー)とは、経営コンサルティングの書籍でよくお目にかかる用語です。簡単に言うと「漏れなくダブりなく要素が取り上げられている集合」を意味します。例えば「曜日」というグループにおいて「日曜から月曜まで」7つすべての曜日が列挙されている状態を指します。
メッセージ化の要件とは
要件は「スタンスをとる」ことにあります。
スタンスをとるとは、伝えたいことに対して「自分の立ち位置」を明確にすることである。
そのコツは3つあります。
3つのコツ
- 「隠れ重言」を排除する
- 「否定」で退路を断つ
- 形容詞や副詞は「数字」に変える
重言とは「顔を洗顔する」など意味が重複している表現です。
隠れ重言はこれとは少しばかり異なるので、一見するとわかりにくいです。
「隠れ重言」とは、文の中での重複はないが、そのコンテキストを重複していて、わざわざ伝える意義のないものだ。
本文中のわかりやすい例を引用すると、
ラグビーで「強いタックルが必要です」と言うのも、弱いタックルがよいというシーンはラグビーにおいて存在しない。こうしたものが隠れ重言だ。当たり前のことをもっともらしく言って、なにか言った気分になっているだけだ。
となります。あなたもTV中継を見ていてこのように感じたことはないでしょうか。
超・箇条書きの技術のまとめ
最後にもう一度、まとめておきます。
構造化(レベル感を整える)
- 自動詞と他動詞
- 直列と並列
- ガバニング
物語化(フックをつくる)
- イントロ
- MECE崩し
- 固有名詞
メッセージ化(スタンスをとる)
- 隠れ重言排除
- 否定
- 数字
これら3つはセンスではなく、技術であるのだから、あなたも学習すれば必ず身につくはずのものです。
あなたの「どうしても伝えたいこと」をより速く・魅力的に伝えてみませんか?