言葉のプロ直伝の25のメソッドを身に着けましょう
博報堂クリエイティブプロデューサーのひきたよしあき氏は言います。
この本は、私が研鑽を重ね、編み出してきた「質問力」を紹介するために書きました。あなたの仕事を有利に進めるための考え方や方法です。
著者の言う質問(質問力)は一般的にあなたが抱いているイメージとは違うはずです。
自分の仕事を有利に進めるために、相手の鎧を脱がせ、本音を吐きたくなるような環境をつくり、相手を同じ方向を見つめる「仲間」にしていく技術。
あるいは、
相手の意見を取り入れて、共感と感情移入を起こさせながら、自分の仕事を強く、太く、大きくしていくためのスキルなのです。
質問力とは、高度なコミュニケーションの一種です。
適切に質問をすることで、周りを巻き込み、自分の考えをよりブラッシュアップすることが可能となります。
一人で考えるよりも、みんなで出し合った知恵の方が輝いているに決まっています。
仕事はひとりでやるものではなく、チームでやるものであることの理由がそこにあるはずです。
多くは「質問力」を駆使して、自分の知らない情報を得て、反対意見を飲み込んで、みんなで推理小説を読むような心持で結末を語り合い、誰が言い出しっぺなのかわからないほど、人の意見を巻き込んだ仕事が大きな成果を生み出したのです。
25のメソッドをあなたも知りたくはないでしょうか。
- チームで成果を出したい方
- コミュニケーション力を高めたい方
- 情報収集能力を磨きたい方
本書の構成について
全部で5つのパートから構成されています。
- 「自分に対する質問力」を磨く
- 「聞く姿勢」を磨き上げる
- 5つの「質問の型」で的確な答えを導く
- 「裏質問」で相手の本音をひき出す
- 「巻き込む質問テクニック」で自分の意見を通す
3人の登場人物による会話形式で進行します。ゆえに読みやすいです。
質問力の核心にあるもの
あなたはなぜ質問するのでしょうか?
答えはシンプルです。
もっとよく知りたいからに他なりません。
猛烈な好奇心がそうさせるはず。
相手に対する関心が出発点となります。
「質問力」とは、「あなたのことをもっと知りたい」「あなたの会社をもっと知りたい」「この商品をもっと知りたい」という気持ちが真ん中にあります。
これが「質問」をつくる力となるのです。
聞く力がとても大事
聞く力は、質問力の基礎となるものです。
「聞く」とは「質問」の材料を集めること。この材料次第で、相手の芯を突く「質問」ができるようになるのです。
聞くとは、聞いていることを相手に伝える行為です。
自分の反応を相手に伝えるために最も大切なのが「アイコンタクト」となります。
アイコンタクト
- 相手におへそを向ける
- あごをまっすぐ上げる
- 肩の力を抜く
- おへそを向けるのは正対するため。
- あごをあげると不思議と相手は見られているように感じるそうです。
- 肩に力が入っていると戦闘モードと勘違いされます。
常に相手に学ばせてもらっているという謙虚な気持ちで聞けば、自ずとあなたの姿勢が伝わります。
的確な答えを導く5つの質問の型とは
以下の5つの質問の型をマスターすれば、あなたも相手から良質な情報や的確な答えを引き出すことができるはずです。
5つの型
- 主語を「あなた」に変える
- 「5W1H」を会話文に取り入れる
- 「タテ型ドリル」で核心に迫る
- 「現実」と「理想」の差を質問で浮き彫りにする
- 「起承転結」に当てはめて尋ねよう
質問におけるキラーワード
3つあります。
3つのキラーワード
- 具体的に
- 例えば
- この他に
それぞれの隠れた意味は次の通りです。
- 具体的に:言っている意味が分かりません。もっと優しく、詳しく、かみ砕いて説明してください。
- 例えば:抽象的な話だけではなく、具体例を示してください。
- この他に:これだけでは満足できません。他の事例も示してください。
何より大切なのは、この順番です。いきなり「他にある?」と聞いてしまったら、発言を全部否定することになる。最後に「具体的に言ってください」と言うと「ここまで理解できなかったのかよ!」と疑われてしまいます。
相手からの質問にこれらのキラーワードがある場合も要注意ですね。
直にあって話すことが大事だから
テクノロジーの発達により、直接に面と向かって話す機会が、ビジネスの場面ではますます少なくなっています。
しかしながら、
このような時代だからこそ、直接的なコミュニケーションの必要性を著者は訴えます。
一番大切な瞬間は、公私を問わず、直に会って話すこと。他者との共同作業によって、互いを知り、認め合い、共同で物語を紡いでいく。これが最も効果的で、自分の糧になっていく作業であることは、遠い未来も変わらないでしょう。
注意ビジネスにブレーキをかけるのは「無関心」です。
あなたのビジネスシーンをポップにするために、相手に関心を持ち、効果的な質問力を実行していきましょう。