健康リスクに対応した経営があなたの会社を変えるのだ!
共著者のひとりである佐藤典久氏は言います。
この本では、労働者に共通する課題に対する対策を、できるだけ費用をかけずに行っていただけるようにという想いで、具体的な提案をしています。
従業員の健康管理とは、福利厚生の範疇ではなく、まさに経営管理の問題であることを強く認識しなければならない時代に、我々は生きています(働いています)。
健康リスクが経営危機をもたらすことは、レアケースでも対岸の火事でもないのです。
中小企業であるならば、その切実さはより一層強いことでしょう。
いくら能力の高い労働者がいても、長く安心して就労してもらえなければ事業を維持・発展させていくことができません。そして、そのための土台が「従業員の健康」です。
- 中小企業・団体の経営者
- 人事・労務・総務担当者
- 小規模事業場の健康管理に携わる方
本書の構成について
本書は全部で6章から構成されています。
- 健康リスクが高まる要因と現状
- 経営者に求められる健康関連の法律知識
- 健康管理体制
- 企業とメンタルヘルス
- 働き方改革と健康管理
- 一億総活躍社会における中小企業の雇用と就労管理
経営リスクを減らす
労働の担い手が多様化する今日において、
高年労働者や障害者、病気を抱えた労働者を雇用しなければならない「令和時代の経営者」にとっては、労働者の健康管理が、企業のリスク管理の重要なもののひとつとなってきています。
かつて「ヒト」を使い捨てる経営がありました。
しかしながら、もはやそのようなコンプライアンス違反行為は通用しません。
「安全」に配慮しながら上手にメンテナンスをしつつ労働者に最大限のパフォーマンスを提供し続けてもらうしか選択肢はありません。
健康管理のロイヤルロード
人事関係者にとって耳が痛い直言をひとつ。
健康管理問題で起きる問題の多くは、人事担当者が長時間労働・中途半端な労働時間をコントロール出来ないことによって起きます。
厚労省の「平成29年度過労死等防止対策白書」によると、
- 労働時間を正確に把握すること
- 残業手当を全額支給すること
の2つが労働時間の適正化とメンタルヘルスの良好化に一番つながることが示唆されているそうです。
「遅刻と届出のない残業を許すことは悪いこと」という考え方を労使に徹底することが、健康管理のロイヤルロードといえます。
非生産的な時間外労働を放置せずに、徹底的につぶしていく姿勢が、現場においても人事においても求められているのでしょう。