社員が辞めない変な会社の真っ当な理由
サイボウズ代表の青野慶久氏は言います。
この本は、サイボウズの社内で実験してきた多様化のノウハウを、他の組織で再利用できるようにまとめたものだ。
働き方改革の先端を走る「サイボウズ」という会社名を聞いたことのあるひとは多いはずです。
自社における取り組みを考え流とき、あなたは次のように思うかもしれません。
- ソフトウェア会社だから可能なんだ。
- このようなやり方はうちでは通用しない。
- サイボウズという会社が特殊なだけだろう。
青野さんの言葉にもう一度耳を傾けてみてください。
彼らは「実験」しているのです。
実験である限り、失敗もあれば成功もあります。
つまり、
サイボウズのメンバーはチャレンジを続けているのです。
多様化は21世紀の人類にとって自然な流れであり、この流れに乗るのであれば、本書で記した組織マネジメントの手法はどの組織にも応用できる。
これからのビジネス環境は多様化を増すばかりですから、組織も多様化を目指すのは当然です。
多様化しなければ生き残っていけない環境であなたは戦っています。
サイボウズがチャレンジする「多様化」への取り組みはごく自然の成り行きでした。
サイボウズにとっての必然は、あなたの組織・会社にとっても必然に違いありません。
- 変革を求める経営者
- 組織のあるべき姿を考えるマネージャー
- もっと自分らしい働き方を希望する人
本書の構成について
本書は全部で6章から構成されています。
- 多様化前のこと
- 共通の理想を探す
- 会社のインフラを作る
- 多様性に対応した人事制度
- 制度を活かす風土を作る
- 多様化の成果
チームとは
チームの成立条件は次の4つとなります。
4つの成立条件
- 共通のビジョン
- チームの構成員
- 役割分担
- 仕事の連携
チームがワークすることがチームワークとなります。
つまり、
仲間と働くということです。
チームワークの良し悪しを決める4要素とは
4要素とは
- 効果
- 効率
- 満足
- 学習
チームワークの良い状態とは以上の4つの要素がすべて揃っている状態でなければなりません。
事実と解釈
チームのメンバーがバラエティーに富めば富むほど、多様性は促進されます。
しかしながら、
チーム内でのコミュニケーションにおいて、次のポイントを押さえておかなければ、議論は常に不健全な方向に傾斜します。
「事実」と「解釈」は別物である
「事実」と「解釈」は別物である。実際に起こったことが事実で、それを見て思ったことが解釈。たいていの場合、事実は大したことはない。解釈を付け加えることで、人は感情的になってしまう
- 事実 (インプットされるもの 五感で確認できる確かさの高い情報)
- 解釈 (アウトプットされるもの 事実を得て考えた情報)
多様性を重視する組織においては、事実だけが正しい。事実と解釈を区別しながら建設的に議論ができるようになれば、組織はスムーズに活動を進められる。
チームのメンバーが求められるもの
次の6つの行動(活動)を求められます。
これらの行動(活動)ができれば、有効なチームワークが達成できます。
6つの行動(活動)
- コミュニケーションをとる
- 共通の理想を決める
- 役割を分担する
- 互いの仕事の進捗を確認する
- フィードバックをし合う
- 相互に調整する
仕事の情報を共有しながらコミュニケーションができるのならば、どこで、どれだけ働いてもよいが実現できるのでしょう。
制度と風土
制度を作るとともに、制度を活かすために、企業の風土を変える必要があるということだ。
風土って?
風土とは、メンバーの価値観であると青野さんは定義します。
組織において何を大事にするのかという判断基準のことです。
制度と風土は車の両輪だ。両方とも変え続けなければ、前に進むことはない。
制度と風土を作り直すことをセットで考えるところにユニークネスが光ります。
チームワーク社会
企業とチームはイコールではありません。
ビジョンを失った企業はチームとは言えません。
チームとは、
ビジョンに共感するメンバーがタスクを実行する(=ワークする)集団です。
青野氏は言います。
このように社会をとらえ直したときに、今までとはまったく違う社会像が浮かんでくる。
それが、チーム社会です。
彼らが目指すべき社会とは、チームワーク社会に他なりません。
それは、想いと共感に基づく社会を意味します。
チームという場所は、あらゆる個性を活かす舞台となる。
社会は強者だけで成立しているわけではありません。
さまざまな立場、いろいろな個性によって形成されています。
弱さも個性なのです。
このことを理解しているチームはどこまでも強く、
このことを前提とするチーム社会はもっともっと豊かになるはず。