評価は全方位のほうがいいの思想の徹底
人事評価に非常に力を入れている生活用品大手のアイリスオーヤマさんのインタビュー記事を取り上げます。
あなたの会社では評価を上司だけがつけていますか?上司も人間なので先入観や勘違いで正しくない評価を下すことがあるかもしれません。でも間違ったじゃ、済まされないですよね。
上司だけの評価でいいのでしょうか?
上司だけでは正しい評価が下されない。そのような考えのもと、同社では「360度評価」を徹底されているそうです。社長も対象の、その徹底ぶりがすごいんです。
とことんやるアイリスオーヤマという会社
「働く社員にとっての良い会社」という企業理念を実現する上で、人事評価を重要な要素と位置づけている生活用品大手のアイリスオーヤマでは、人事制度改革の見直しを絶えず行っておられます。
人事評価は「360度評価」を採用していますが、同社の特徴は評価の徹底ぶりにあるようです。一般社員に対してはぜんぶで9名が評価し、幹部社員は上司・同僚・部下全員から評価されるそうです。
誰がどのような評価をしたのかがわからないように評価の集計を外部委託しているのもユニークな試みです。人事部も見られないようにする徹底ぶりが従業員への信頼につながっているのでしょう。
360度評価とは
評価における方法のひとつです。上司だけではなく、同僚や部下など仕事上の関係者が評価する手法となります。評価者が複数であることから客観性・公平性を実現することを目的として導入している企業も少なくありません。現在、お互いの評価に対する遠慮や手間ひまがかかりすぎることから、見直しを図っている企業もあります。一時期流行りましたが、ひところのブームは去ったようです。
他人が見ている自分は違うんだ
世間では360度評価の評判は最近あまりよくありません。評価に対する社員間同士のバーター取引などもみられ、制度としての完成度を上げる余地がまだまだあるようです。
悪くつけないので、こっちも頼むわ
了解。まかして
この点をアイリスオーヤマではどのような工夫で回避しているのかが人事屋としては知りたいところです。徹底化の一環として、当然防止策が講じられているものと思われます。
アイリスオーヤマでの360度評価では評価者のなかに「自分自身」も加えているところが特徴的です。
評価は他人が下すものが原則であるため、自己評価は評価に反映されないシステムです。
ではなんのために自己評価をするのでしょうか?
それは、自分自身の評価と他人からの評価のズレをきちんと認識し、どこが長所であり、短所であるのかをはっきりと理解するためです。
自分では気づかないことは山ほどありますよね。得てして、それそこが評価のポイントなのです。
「自己評価」を加えるひと工夫により評価制度の信頼感が高まっていることは言うまでもないでしょう。それが業績の好調に直結していることは想像に難くありません。
評価ってどこまでいっても他人の評価にすぎません。まったく気にならないのも嘘ですが、必要以上に気にしても疲れるだけです。くれぐれも評価の奴隷にはならないようにしましょう。