異質なモノをかけ合わせ、新たなビジネスを生み出すための方法論!
News Picks 初代編集長の佐々木紀彦氏は言います。
私がこの本で言いたいことはたった1つ。編集者的な思考法、いわば「編集思考」こそが、日本と日本人の未来を創るということです。
「編集」について佐々木さんは次のように定義付けます。
編集とは、ヒトやモノやコトのいいところを「外に出」して、何とかつなげて、新しい価値を「生み出す」手法なのです。
ということは、
編集という手法は、編集者だけが用いる特殊な技術ではないことがわかるはずです。
編集とは、あらゆる企業がイノベーションを起こし、新規事業を開発するための技術であり、あらゆる人々が自分らしいキャリアや人生を紡ぎ出すための道具なのです。
個人のキャリア形成にとっても「編集思考」は頼もしい味方であるに違いありません。
先行き不透明で、不確実な時代において、
多様な材料の中から、多様なつながりを生み、多様な面白さを編み出していく。
編集思考の実践は必然であり、あなたをきっと自由で面白い世界へと誘ってくれることでしょう。
- 仕事の領域でもっと面白いを見つけたい方
- 現在の仕事に熱烈に変化を求めている人
- 意欲的なフリーランス
「編集」といえば、直ちに思い出されるのが松岡正剛氏でしょう。読み応え十分。参考文献としてどうぞ。
本書の構成について
本書は、全部で6章から構成されています。
- 「縦割り」の時代から「横串」の時代へ
- 編集思考とは何か
- ニューズピックスの編集思考
- 世界最先端企業の編集思考
- 編集思考の鍛え方
- 日本を編集する
第4章では、「ネットフリックス」「ディズニー」「WeWork」について事例をあげながら解説されています。
編集思考の4つのステップ
編集思考には次の4つのステップがあります。
- セレクト
- コネクト
- プロモート
- エンゲージ
セレクト
セレクトの法則
- いいところだけ見て、惚れ抜く
- 直感をダブルチェックする
- 両極に振る
コネクト
コネクトの法則
- 「古いもの」と「新しいもの」をつなげる
- 「縦への深堀り」と「横展開」でつなげる
- 文化的摩擦が大きいもの同士をつなげる
プロモート
プロモートの視点
- 時間軸
- 思想
- 真実
エンゲージ
エンゲージのポイント
- コミュニケーション
- コミュニティ
- コンシステンシー
- カジュアル
編集思考の土台となる3つのリソース
リソースは次の3つとなります。
- 教養(知のネットワーク)
- 人脈(人のネットワーク)
- パワー(権力と権威のネットワーク)
著者の教養の定義は次の通りです。
教養とは、自然科学の知+社会科学の知+人文科学の知
言い換えれば、「教養がある」とは「最先端」と「普遍」の引き出しを多く持っている状態とも表現できます。
新しいものに目くばせしながら、一歩引いたところで普遍に目を凝らす態度が要求されるのでしょう。
編集思考を磨く6つの行動
次の6つの方法で磨いていきましょう。
- 古典を読み込む
- 歴史を血肉とする
- 二分法を超克する
- アウェーに遠征する
- 聞く力を磨く
- 毒と冷淡さを持つ
編集思考を鍛えるためにもっとも大事なのは、聞き上手になることです。
著者の経験から生まれた聞き上手になるための6つのコツは次の通りです。
- 3分の1の法則
- 人は話すほど相手を信頼しやすくなる
- よく調べるが、調べすぎない
- 不意打ちで「素」を引き出す
- 「位置エネルギー」をコントロールする
- 悪口を言う
3分の1の法則とは
- 自分の聞きたいこと3分の1
- 相手が話したそうなこと3分の1
- 観客や視聴者が聞きたそうなこと3分の1
これら6つの「聞き上手になるためのコツ」を押さえるだけでも、あなたの聞くスキルは平均点を優に凌駕するはずです。
思考の檻から脱出するために
あなたは思考の檻(おり)のなかにいませんか?
「こうあらねばならない」という気持ちが強すぎて、
思考停止・感情停止・行動停止を引き起こしていないでしょうか?
「こうあらねばならない」という固定観念は、
親や会社や学校や教師や友人や政府や世間が押し付けてきた価値観に違いありません。
あなた自身が望む、自由と創造を取り戻すために、
ぜひ「編集思考」を身に着け、鍛え上げてください。
今の日本は、思考の檻にとらわれ、企業も政府も「縦割り」がはびこり、自由度がなくなってしまっています。
あなたには「編集」によって、既存の価値観を洗い直し「横串」を通す必要があるはず!