日本を、世界で最も若者が育つ社会へ
株式会社リンクアンドモチベーションの樫原洋平氏は言います。
私が考える若手の早期育成の障害となる分断は、次の4つです。
- 高校と大学の分断
- 大学と企業の分断
- 採用と育成の分断
- 人事と職場の分断
高校と大学の分断
受け身で学ぶ高校と自らが選んで学ぶ大学。この学び方の違いを学生がまるで理解していない。
大学と企業の分断
大学側が就職のために学生に身に着けさせていることと、企業側が大学時代に学生に身に着けてほしいことが乖離している。
採用と育成の分断
採用で求める人物像と育成で求める人物像が、別々に存在し、合致していない。
人事と職場の分断
「自ら考える」と「まずは言われたとおりにやれ」のギャップに苦しむ。
若手の早期育成の前に立ちはだかる分断を乗り越えるために、大学の4年間と入社後の3年間を合わせた「ゴールデンセブン」の期間に適切な指導教育が必要であると著者は言います。
大切なのはゴールデンセブンをひとつの塊としてとらえ、分断を生まないように一気通貫でさまざまな施策を行うことです。
- 若手の育成に悩むマネージャー
- 採用担当者
- キャリアセンター職員
本書の構成について
本書は全部で6つのパートから構成されています。
- 「ゴールデンセブン」とは何か?
- 求められる人財「エッジソン」とは?
- いかに産学連携でエッジソンを育むか?
- どうすればエッジソンを採用できるのか?
- 内定後から配属までで大切なことは何か?
- 職場でエッジソンに活躍してもらうために
エッジソンとは
「エッジソン」は私の造語ですが、簡単にいえば、「トガッた人」のことです。「エッジ」は刃物の刃など鋭くトガッていることを表し、「ソン」はパーソンのソンで、併せてエッジソン=トガッた人という意味です。
ポイントはトガり方にあります。
「専門性にトガる」だけでなく、「目的にトガる」ことのできる「エッジソン」が、いまの時代に求められているのです。
エッジソンを定義する
「志」X5徳から構成される「五角錐」モデルで定義することができます。
「志」がエッジソンの目的にあたり、目的にトガればトガるほど五角錐が高くなるイメージです。
5徳とは、
- 智
- 仁
- 勇
- 礼
- 義
智とは
自ら学び、自ら問い、自ら答える力
仁とは
多様な価値観を受け入れ、その違いを乗り越える力
勇とは
自ら機会を創り出し、挑戦する力
礼とは
人として、当たり前のことを当たり前にやる力
義とは
長期にわたって逃げずにやり抜く力
志を語り合う
上司と部下が自分たちの「志」について語り合うことはとても重要なことです。
言い換えれば、
お互いのエッジで磨き合っている関係性にあること。
自分のエッジを語ることが、相手のエッジを磨くことになるのです。
上司による志のマネジメントサポートがこれからますます重要性を帯びてくることでしょう。