D2C「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略とは

ダイレクト・トゥ・コンシューマーは、単なる中抜きでは全くない

D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略 (NewsPicksパブリッシング)

おすすめ度
(4.0)

ビジネスデザイナーの佐々木康裕氏は言います。

D2C(Direct to Consumer)と呼ばれる新しい業態は、

高級感のある世界観やブランディングを重視しながら、同時にデータ分析やAIなどを上手に活用するデータドリブンという特徴を持つ。

D2Cは、デジタルと、ブランディングやカルチャー創出といった、今までは遠いところに存在していた強力な力が合わさった業態なのです。

データドリブンとは、企業活動(経営やマーケティング等)における重要な意思決定を行う際に、データを基に判断し実行することを意味します。

D2Cブランドの特徴は以下の通りです。

D2Cブランドの特徴
  • 出発点はデジタルネイティブ
  • 直接販売、直接コミュニケーション
  • 安価
  • 指数関数的成長
  • 提供価値はライフスタイル(世界観)
  • ミレニアム世代以下がターゲット
  • 顧客の位置付けはコミュニティであり仲間
パドー
伝統的なブランドの特徴を以下に示します。比較すれば、D2Cブランドの理解がより深まることでしょう。
伝統的ブランドの特徴
  • 出発点はメーカーとして誕生
  • 小売り経由で間接販売、広告代理店経由で間接コミュニケーション
  • 中間コスト込みのため高い
  • 堅実な成長
  • 提供価値はプロダクト(機能)
  • X世代以上がターゲット
  • 顧客の位置付けはお客様

繰り返しますと、D2Cブランドとは、

  • 「ものづくり屋」ではなく「テック企業」である
  • 「間接販売」ではなく「直接販売」する
  • 「高価格化」ではなく「低価格化」を志向する
  • 「着実な成長」ではなく「指数関数的成長」を遂げる
  • 「プロダクト」ではなく「ライフスタイル」を売る
  • 「X世代以上」ではなく「ミレニアム世代以下」をターゲットとする
  • 「顧客」ではなく「コミュニティ」として扱う

佐々木氏は言います。

この本で提示するのは、単にいくつかの企業の成功譚ではない。長い小売りの歴史の中で、顧客とブランドの関係にどんなパラダイムシフトが芽吹いているかの解説書としたい。

D2Cが起こした顧客とブランドの関係の質的変化は不可逆であり、今後多くの業態に影響を与えていくことでしょう。

小売やブランドの成功法則や生存のためのルールはもう書き換えられている。この本では、これまでのルールブックを作り直し、どう価値のあるブランドを作っていけばいいのかについての考えを紹介していこうと思う。

パドー
ルールが変わったのです。
こんな人にオススメ
  • これからのブランディングを考えなおしたい方
  • 新しいメーカーを立ち上げたい方
  • 広告やプロモーションに関心のある方

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本書の構成について

本書は全部で6章から構成されています。

  1. D2Cが生んだパラダイムシフト
  2. 「機能」ではなく「世界観」を売る
  3. 「他人」ではなく「友人」に売る
  4. D2Cの戦略論
  5. D2Cを立ち上げる(スタートアップ・大手ブランド・大手小売)
  6. D2Cの先にあるもの

「モノからコト」から「コト付きのモノ」へ

ここでいうコトとは、

小売、飲食、宿泊、金融、教育、医療、エンターテインメントなど、モノを伴わずに提供できる全てのサービスを指します。

モノからコトへの消費トレンドのシフトは大きな流れとしてありますが、D2Cにより「コト付きのモノ」という流れが新たな価値を提供しつつあります。

パドー
インターネットサービスによるコト的側面を持ちつつ、同時にリアル店舗による実質的な「モノ」を核としながらの独自の世界観も作りこんでいくのです。

顧客との関係性をより深め、紡いでいく。このハイブリッド性にこそ、D2Cの強みがある。

STEP1
モノ型
ブランドものの洋服、自動車等
STEP2
コト型
旅行、ヨガなどのライフスタイル訴求・世界観消費
STEP3
D2C型
ライフスタイル及びそれを体現するプロダクト

全業界、全企業は「D2C化」していく

D2Cがもたらした本質的なパラダイムシフトのポイントを著者は次のように指摘します。

パラダイムシフトのポイント
  • デジタルが顧客接点の大部分を占める
  • プロダクトではなく世界観の占める割合が大きくなっていく
  • 顧客とダイレクトな関係を築き真の意味でB2C化していく

どのような業態であったとしても、これからのブランドには次に述べる要素が間違いなく必要になってくると著者は主張します。

  • デジタル起点のビジネス・ブランドづくりを行うこと
  • 顧客との関係性づくりに注力すること
  • 世界観・ストーリーづくりに投資をすること

この書籍が、これからブランドやメーカーを作ろうとしている人、あるいは改革をしようとしている人にとって何かの助けになれば幸いだ。

 

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