変化を生きるための13の流儀を知りたくないですか
本書は、東京大学教養学部で開講された講義をもとに作られています。
講義名は「教養学部生のためのキャリア教室:これからの時代をどう生きるか」です。
編纂者のひとりである標葉靖子氏は言います。
あるべき姿が見えないと悩む学生に、先輩方はどのように選択し学び続けているのか、その等身大のケーススタディをできるだけ多く知ってもらいたいーそれが私たちがキャリア教室に込めた思いです。
キャリア形成の第一歩は「キャリアに正解などない」という認識です。
本書には、13名の個性豊かなキャリア談議が詰まっています。
できる限り多様なキャリアの築き方に対する考え方やものの見方を提示できるよう、既存の枠にとらわれずに様々な領域で活躍されている方々にご登壇いただきました。
キャリアに正解はありませんが、ある意味、ひとりひとりの人生にとって、その人が歩んだキャリアこそが「正解」であるのでしょう。
キャリアについての柔軟で豊かなイメージを数々のエピソードはもたらせてくれるはずです。
- 高校生
- 大学生
- 意欲的な若手社員
本書の構成について
本書は全部で4章から構成されています。
- 「好き」をとことん追いかける
- 社会の基盤をつくる
- 試行錯誤しながら進む
- 教養のススメ
「好き」をとことん追いかける
自分の中の「声」や「直感」を信じて、好きなことを仕事にするために努力を重ねてきた先輩方のお話をまとめています。
- とにかく人生を楽しもう、学びは後からついてくる
- 研究者への道
- 目の前のことを全力で取り組め
- ひとつひとつの選択と真摯に向き合う
社会の基盤をつくる
どの先輩もその環境を多彩に生かして自身のやりたいことを実現されています。
- 世界を回る国境なきエンジニア
- 日本人が国際機関で働くこと
- 価値観と向き合うキャリア設計
- 投融資で開発を支援する
試行錯誤しながら進む
様々な転機に「ご縁」があって今につながっていると話す先輩方のお話をまとめています。
- 道は、振り返ったらできている
- 悩みのキーワード
- 仕事はいかに「ワクワク」するかで選ぼう
- 世界観をつくるデザイナー
教養のススメ
人がどう生きるかに深く関わる「教養」も身に付けていって欲しいー私たちはそう考えています。
- 人生、大学を出てからのほうが長い
計画された偶然性
キャリア形成を考える場合に、非常に魅力的な考え方があります。
スタンフォード大学のD.クランボルツ教授が提唱する「計画された偶然性」という理論的枠組みです。
予期せぬ偶然を当人の主体性や努力によって最大限に活用すること、また積極的に行動することで自らチャンスを創り出していくことが重要である。
「偶然」をチャンスに変える5つのスキルを彼は次のように提示します。
- 好奇心
- 持続性
- 柔軟性
- 楽観性
- リスク・テイキング
すなわち、
- 新しい学習の機会を模索する
- 挫折にめげず、努力し続ける
- 状況の変化に伴い変化していく
- 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考える
- 結果がどうなるかわからなくても、行動に移す
これから自分のキャリアを築こうとしているあなた。
もしくは、自らのキャリアを歩み始めたばかりのあなた。
次の2つのことを決して忘れないでください。
- 自分のキャリアは自分で築いていくものである
- キャリアの築き方には、こうでなければならないという正解などない
不透明で急激な変化が起こる時代だからこそ、偶然を味方につけましょう!