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現代アートの行間を読め、村上隆のスーパーフラット

投稿日:2016-10-21 更新日:

現代アートの世界⇒

美術館にはできるかぎり時間をみつけて足を運びたいと日ごろから思っています。特にどの時代が好きだとか、どの様式が好きだとか、こだわりはありませんが、ただ色彩の鮮やかなものに惹かれます。ゴッホやベーコン、オキーフなどがお気に入りなので、結果として、現代アートに魅了されています。その中でも、村上隆氏の作品は昔から好きで、その著作もほとんど読んでいます。本日は、現代アートについて少しばかりお話します。

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村上隆の世界

村上氏の著作を読むとき、彼の現代アートに対する考えを、自分の知識・理解不足のためか、核心を掴んだという実感のないままに、いつも掴み損ねてしまいます。以下の考えは、わたしの理解不足のために彼の考えを矮小化し解釈しているかもしれないことをあらかじめ御了承ください。

欧米の文法・ルール

美術鑑賞、もしくはアートの世界には、文法があり、ルールがあります。それは欧米が作り上げたルールであり、文法です。従って、欧米以外の国や地域のアートが彼らの土俵に上がって一定の評価を得るためには、彼らのルールや文法について、徹底的に勉強する必要があります。そうしないと歯牙にもかけられません。

つまり、戦略的に作品を発表しなければ、注目されることもなく、売買の対象にはならない、というわけです。

武器としての日本的伝統

美術作品は、芸術品であると同時に商品であることから逃れることができないために、上のような理屈は抵抗なく受け入れることができるでしょう。それでは、日本人のアーティストが戦略的に彼らの作り上げたリングの上で戦うには、どうすれば効果的かつ有効的であるのかを考える必要に迫られたはずです。

結論は、日本的な伝統という文脈をはずさずに作品を提供するというスタンスの堅持でした。

ネオコンセプト

欧米人が求め、価値を見出すポイントは、日本的伝統という背骨を持った作品であるという理解に基づき、作品が効果的に発表されていきます。しかしながら、その作品は日本の伝統美がそのまま踏襲され、忠実に今に伝えられているわけではありません。そうであれば、既に一定の評価が確定している過去の作品に勝つことはできないでしょう。あくまで、日本的伝統という文脈に即し、新しいコンセプトが提示されていなければならないのです。それこそがルール・文法が求めているはずのものです。

その代表的なものが、「スーパーフラット」なのでしょう。

スーパーフラットコレクション

この春、横浜美術館において、村上氏のコレクションが大規模に紹介されました。「村上隆のスーパーフラットコレクション展」です。わたしも足を運びました。

横浜美術館のHPには、スーパーフラットは次のように説明されています。

「スーパーフラット」とは、平面性や装飾性といった造形的な意味のみに限定されるのではなく、時代やジャンル、既存のヒエラルキーから開放された個々の作品の並列性、枠組みを超えた活動そのものを示しており、「芸術とは何か?」という大命題に様々な角度から挑み続ける作家の活動全体(人生)を包括的に表す広範かつ動的な概念と捉えられるでしょう。

 

欧米的価値観を一刀両断に相対化する概念の提出は、意図的、作為的であろうと思われますが、なんとも挑発的で、アイロニカルです。しかしながら、これで戦っていくんだという決意が前景化している素晴らしいコンセプトであると思います。

行間を読め

現代アートは、その成立やその歴史的経緯、商業主義との関連をきちんと学ばなければ、作品を多角的に複合的に味わうことが難しいものです。現在のわたしとは言えば、現代アートにおける行間を読めず、ただ字面を追っているレベルです。

勉強が重なってくれば、村上氏がなにと戦い、いかに戦略的に戦線を展開しているのか。その作品の凄みや、そのラインナップの意図が深く理解できるのかもしれません。そうなれば、もっと村上作品を好きになることができるはずです。現代アートは見るものに学習を強います。心地よい学習を。

追伸

美術館にて公式ガイドブックを三千円程度で予約したのですが、村上氏のこだわりのために、遅れに遅れ先月ようやく届きました。その間、美術館からは遅延を詫びる絵葉書が二回送られてきています。到着したそのガイドブックは圧巻でした、内容もボリュームも。とにかく重い。待った甲斐があるという出来です。おまけに、コストがめったやたらにかかってしまっているようで、これから購買する際には、定価が一万円前後のようです。

 

水たまりの一滴

世界で闘う、世界と戦う。凄いことです。

 

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